「これ消して」だけで写真が変わる ─ AIで日常の写真を整える4つの使い方

2026.05.11

活用

「これ消して」だけで写真が変わる ─ AIで日常の写真を整える4つの使い方

ChatGPTやGeminiのNano Bananaで、写真の不要物消去・白黒のカラー化・部屋の模様替えシミュレーション・商品写真のクリーン化が「数語のプロンプト」で行えるようになりました。家庭でもEC運営でもすぐ使える4つの活用法を、具体的なプロンプト例とともに解説します。

「これ消して」と打つだけで、写真が変わる時代

ChatGPTやGoogleのNano Banana(Gemini 2.5 Flash Imageのコードネーム)など、画像を扱える生成AIが揃ってきた2026年、ちょっと驚くのは「プロンプトをほとんど考えなくてもいい」ことです。料理写真を見せて『これ何?』と聞けば翻訳と解説が返る。家族写真を見せて『電線消して』と書けば電線だけ消える。半年前なら『この部分をマスクで指定して、参照画像を渡して、ネガティブプロンプトを書いて……』と必要だった操作の多くが、いまは数語のメモ程度の指示で済みます。

前回の「メニュー写真をAIに翻訳してもらう」「電線を消す」の記事に続く第2弾として、この記事では写真を整える系の使い方を4つ取り上げます。EC運営の方、不動産の物件写真を扱う方、家族写真を整理したい方、SNSで発信する方それぞれに、すぐ役立ちそうなものを集めました。すべて、難しいプロンプトは不要です。

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使い方① ─ 写真の不要物を消す(人混み・電線・写り込み)

観光地で家族写真を撮ったら、後ろに知らない人が写り込んでいた。せっかくのお店の外観写真に、太い電線や標識が乱入していた。こうした写り込み除去は、AIの最も得意な部類です。

  • プロンプト例:「写真に写っている人を消して」「電線だけ消して、背景は維持」
  • 使いやすいツール:Geminiアプリの🍌アイコン(Nano Banana / Nano Banana 2)、ChatGPT画像編集、Adobe Photoshopの「ジェネレーティブ削除」
  • 失敗しやすい点:被写体と消したい対象が重なっていると、人物の輪郭が一緒に変形してしまうことがあります。広い背景にぽつんと写り込んだ電線や人は得意、密集した群衆の中の特定の1人だけ消すのは苦手です
  • Googleが公式ブログで紹介しているNano Bananaの活用例 では、観光地の写真から人混みを消すデモが分かりやすいです。

    使い方② ─ 古い白黒写真を、自然なカラーに復元する

    実家の押し入れから出てきたアルバム、祖父母の若い頃のセピア色のスナップ。AIに『この写真を復元してカラー化して』と頼むと、当時の服装の色合いや空の青さまでそれらしく推定して、自然なカラー写真として返してくれます。色の正確さは保証されませんが(実際の色を知らないので推測です)、見た目の印象は大きく変わります。

  • プロンプト例:「この古い白黒写真を、自然なカラーに復元してください。傷や色あせも直して」
  • 親族写真の場合の注意:肌の色や髪の色について、当時の本人を知る家族と一緒に確認するのが安全です。AIは平均的な日本人の色合いに寄せがちなので、独特の髪色や瞳の色は調整が必要なことがあります
  • 実用シーン:法事の遺影、結婚式のスライドショー、写真集の制作、地域史の資料整備
  • 国内では「AIで古びた白黒写真をカラー復元」「昭和の白黒写真がカラーに」 などの実践記事が複数あり、手順がほぼ「画像を貼って一言頼む」だけで済むことが共通して報告されています。

    使い方③ ─ 部屋の模様替えを「事前に試す」

    壁紙を張り替える前、ソファを買い替える前、ペンキを塗る前に、いまの部屋の写真をAIに渡して「壁紙を白に変えて」「ソファをグレーに」と指示すると、その通りに合成された完成イメージが返ってきます。リフォーム業者から提案された色を実際の自宅で試したいとき、家具を新調するか迷っているときに便利です。

  • プロンプト例:「この部屋の壁紙を温かみのあるベージュにして、ソファはダークグレーに変えて」
  • 発展形:間取り図を渡して『この間取り図をドールハウスのように3Dレンダリングして』と頼むと、各部屋の3D内観イメージも得られます(Nano Banana Proが得意)
  • 不動産業の活用:空室の物件写真に「ホームステージング風に家具を入れて」と頼むと、内見前の魅力アップに使えます
  • 実例としてリフォーム会社のブログでは、施主の自宅写真にナノバナナで完成イメージを当てて、打ち合わせ材料に使うフローが紹介されています。

    使い方④ ─ 商品写真の背景を、ECサイト向けにクリーンにする

    メルカリやBASEに出品するために自宅で撮った写真は、どうしても生活感が映り込みます。テーブルの木目、後ろの本棚、子どもの絵本。これをAIに渡して「背景を白に置き換えて」「透明背景にして」と頼むだけで、ECサイトに載せられるクリーンな商品写真になります。

  • プロンプト例:「この商品の背景を真っ白に置き換えて、商品の形と色は変えないで」
  • これまでとの違い:従来の背景透過ツール(remove.bg等)は輪郭を切り抜くだけでしたが、Nano BananaやChatGPT Imagesは「背景を作り直す」ことができ、自然な影や反射まで再現できます
  • コスト感:Geminiアプリ・ChatGPTのいずれも、無料枠の範囲内で十分試せます。月数千円のプランで月100枚以上は処理可能
  • 撮影スタジオを借りずに、家のソファの上で撮った写真をECに載せられる時代になりました。海外ではArtlistの解説記事 などが具体的なBefore/After付きで使い方を整理しています。

    4つに共通する「コツ」と「注意点」

    ここまでの4つに共通するのは、プロンプトを練り込まなくていいということです。「これ消して」「カラーにして」「壁紙白に」と書くだけ。代わりに、うまくいくとも限らないので何度か試して気に入ったものを採用するという前提で使うのが現実的です。

  • 生成のたびに微妙に違う結果が出るので、3〜5回くらい生成してから1枚を選ぶ
  • 元写真の解像度が低いと、AIの出力もぼやける。なるべく原寸の高解像度を渡す
  • 人物を扱う場合は、本人や家族の許可を取る。SNS公開する場合は特に
  • AIの推測した色や復元結果は、実際の事実とは限らない。法的・歴史的に正確さが求められる場面では使わない
  • 生成AIによる画像編集は「修正」というより「もう1枚作り直す」感覚に近い。完璧な1発勝負ではなく、何度か試して採用、という付き合い方がしっくりきます。

    おわりに ─ 生活の中の小さなDX

    ここで紹介したのは、業務というより日常の小さな困りごとを解く使い方ばかりです。でも、こうした「身近で具体的に効く」体験こそが、AIへの抵抗感を薄め、社内の業務でも『試してみよう』につながります。

    Kurasakuでは、こうした日常の事例を社内研修でAIリテラシー教育の入り口として活用したり、業務に落とし込む設計のご相談を受けています。「AIで何ができるか、まず社員に体感してほしい」「ECや不動産で写真の処理を効率化したい」など、お気軽にご相談ください。

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