はじめに
「AIって結局、仕事で使うものでしょ?」と思っている方は多いかもしれません。確かに、議事録の要約やメールの下書きなど、業務効率化の文脈で語られることが多いツールです。
ただ、最近のAI(ChatGPT、Gemini、Claudeなど)は画像を理解する力と、画像を作り出す力が一段と上がっており、日常のちょっとした「困った」を魔法のように解決してくれるケースが増えてきました。
この記事では、実際に試して「これは便利!」と感じた使い方を2つ、Before / After付きで紹介します。どちらもプログラミングの知識は一切不要、しかも依頼文(プロンプト)はびっくりするくらい雑で大丈夫です。
使い方①:写真がないメニューを「写真付きビジュアルメニュー」に変換する
こんな経験ありませんか?
カクテルメニューはまさに代表例です。「Negroni」「Espresso Martini」と書かれていても、酒に詳しくない人には味も見た目もまったくイメージできません。
実例:ニューヨークのバーで撮ったメニュー
実際に試したのがこちらです。先日訪れたニューヨークのバーで、こんな英語メニューを渡されました。

カクテル、ワイン、ジュース、コーヒー…と種類は豊富ですが、写真が一切ありません。「Cucumber Thyme Fizz」「Tartinery Mojito」と言われても、どんな色のグラスで、どんな雰囲気なのか想像もつきません。
そこで、このメニュー写真をAIに渡し、こんな依頼をしてみました。
このメニューから画像生成して どんな食べ物なのかわからない
お気付きでしょうか。たったこれだけです。文章にすらなっていない、メモ書きレベルの一言。それでも結果はこちらです。

カクテル9種、ワイン4種、コーヒー&ティー6種…と、すべてのドリンクが実際の見た目に近いビジュアルで並び、日本語訳と一言キャッチコピー付きで整理されました。「ブラッディメアリー:トマトベースでスパイシー」「エスプレッソマティーニ:コーヒーの香りとほろ苦さ」のように、味のイメージまで一目で伝わる仕上がりです。
「カテゴリごとに分けてほしい」「日本語訳をつけて」と細かく指示したわけではありません。AIが「これは飲み物メニューだから、カテゴリごとに整理して、見た目を画像化して、日本語訳もつけてあげよう」と勝手に汲み取ってくれます。
こんな場面で便利
「想像する楽しみがなくなる」とも言えますが、初めて行く店では特に重宝します。失敗オーダーが減るだけでも、旅先での体験はぐっと豊かになります。
使い方②:写真から電線を消す
日本の絶景写真の宿敵、それは「電線」
日本の街で写真を撮っていると、必ず邪魔になるのが電線・電柱・室外機・看板です。せっかくの夕焼けや桜並木、富士山のショットも、画面の上半分が電線で切り裂かれていることがほとんどです。
海外(北欧・シンガポール・パリ中心部など)では電線が地中化されている場所が多く、何気ないスナップでも空がきれいに映ります。一方、日本ではほぼどこを切り取っても電線がフレームに入ってきます。
実例:自宅から撮った「二重の虹」
ある雨上がりの夕方、自宅から空を見上げると二重の虹が出ていました。すぐにスマホで撮影したのがこちらです。

左半分にどっしりと電柱、何本もの電線、さらに変圧器まで写り込んでいます。せっかくの二重の虹なのに、視線が電線に持っていかれてしまう惜しい一枚です。
そこで、AIにこんな依頼をしました。
電線消して
はい、4文字です。「左側の電柱を」「自然に消して」「空の色になじませて」といった指示は一切なし。それでも結果はこちらです。

電柱と電線がきれいに消え、二重の虹が画面の主役になりました。建物や空のグラデーション、虹のアーチもそのまま残っており、よく見ても消した跡が分かりません。
AIは「電線消して」の一言から、「写真のどこに電線があるかを自分で見つける」「電柱・変圧器も電線の仲間として一緒に消す」「消した部分の空・建物の色を周囲となじませる」という一連の処理を、すべて勝手に判断してくれています。
これまで「Photoshopが使える人だけが手にできた仕上がり」が、4文字の依頼で誰でも作れる時代になっています。
注意点:使っていい場面・使ってはいけない場面
ただし、写真の改変は使う場面を選ぶ必要があることも書いておきます。
基本ルールは「事実を改変して人に何かを判断させる場面では使わない」です。「綺麗な思い出として残したい」「インスタにアップしたい」程度なら、何も気にせず使って大丈夫です。
共通するポイント:とりあえず色々使ってみよう
ここまで紹介した2つの例で、実際に使ったプロンプトはこの2つだけです。
文章とも呼べないようなメモ書き、たった4文字の単語の組み合わせ。それでも、ちゃんとクオリティの高い結果が返ってきます。最近のAIは、皆さんが思っているよりずっと察しがいいです。
だからこそ、最初に伝えたいのは「とりあえず色々使ってみよう」ということです。完璧なプロンプトを考える前に、思いついたまま雑に投げてみる。これが今のAIとの一番うまい付き合い方です。
正直、「結局非効率だった」になる場面のほうが多い
正直に言うと、AIを業務や日常に取り入れてみると、「結局、自分でやった方が早かったな」という場面は結構な頻度であります。
「思ったほど使えないな」と感じる場面のほうが、実は多いくらいです。AI万能論は、実際に使ってみるとすぐに崩れます。
でも、たった1つの「大当たり」がすべてをペイする
ただ、それでも色々試し続けていると、ある日ふと、「これは桁違いに効率化できる」という当たりに出会います。
そして、その爆発的に効率化された数十分・数時間が、それまでの「結局非効率だった」試行錯誤の時間をすべてペイしてくれます。むしろ、お釣りが来るくらいです。
だからこそ、最初から正解の使い方を探さなくて大丈夫です。「電線消して」レベルの雑な依頼で、思いつくまま色々試してみてください。1つでも自分の業務や生活にハマる「大当たり」に出会えれば、AIに対する見方ががらっと変わります。
おわりに
AIの使い方というと、つい仕事や生産性の話になりがちですが、日常の小さな「困った」を魔法のように解決してくれるのもAIの面白さです。
最初は「こんな細かいことに使うのもったいないかも?」と思うかもしれません。でも実際に試してみると、写真ひとつ、メニューひとつでこんなに体験が変わるのか、という小さな驚きがあります。次に海外旅行に行くとき、あるいは惜しい瞬間を写真に収めてしまったとき、ぜひ一言だけAIに頼んでみてください。
Kurasakuでは企業向けのAI活用支援だけでなく、こうした日常レベルでのAI活用ノウハウもお伝えしています。「自社の業務でこんなこともできないかな?」というアイデアがあれば、お気軽にご相談ください。
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